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森の家のキッチンで、ジョンが電子レンジのカレーの飛び散りを眠そうに見つめる
朝ごはんの前に、思いがけないひと仕事。

JOHN · 約3分

ジョンと電子レンジの戦い

ティンバーウッドの朝。

ジョンは目覚ましを止めたまま、しばらく天井を見ていた。昨夜のJetflixは『あと1話』で終わるはずだった。けれど、物語はいいところで続き、ジョンの夜も続いてしまった。

ようやくキッチンにたどり着くと、冷蔵庫に昨日のカレーがあった。ジョンは温め直せる器に移して、電子レンジへ。待っている間にコーヒーを淹れれば、立派な朝になる。たぶん。

終了の音が鳴った。ひと口確かめると、端は温かいのに、真ん中はまだ冷たい。ジョンはスプーンを見つめた。「同じカレーなのに、ずいぶん遠距離だな……」

いったん混ぜて、もう一度。今度こそ、と扉を開けると、器の周りに小さなカレーの点が飛んでいた。ジョンは半分閉じた目を、ほんの少しだけ大きくした。「朝から、壁画を作る予定はなかったんだけど」

少し冷めてから片づけ始めると、思ったより時間がかかった。ひとつ拭けば、別の点が見つかる。ため息をついて時計を見ると、もうずいぶん経っていた。コーヒーまで、すっかり飲み頃になっている。

ジョンはテーブルに座り、今度は急がずカレーを食べた。温かいひと口が、お腹の中にゆっくり落ち着く。「……ちゃんと食べると、ちゃんと朝なんだな」。コーヒーをひと口飲み、肩の力が抜けた。

後で遊びに来たミミとルーカスに話すと、ミミは笑った。「電子レンジとの戦い、勝ったの?」。ジョンは少し考えた。「朝ごはんは食べた。掃除もした。引き分けかな」

その夜、Jetflixの続きが始まりそうになった時、ジョンはリモコンを置いた。明日は、穏やかな朝にしたい。画面を消して立ち上がりかけたところで、次回のタイトルが目に入った。ジョンはしばらく止まり、それから小さくつぶやいた。「……予告だけ」