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オフィスでニュースが鏡を見て、探していたメガネが鼻の上にあることに気づく
探しものは、案外近くにある。

NEWS · 約3分

メガネがない大捜索!?

オフィスの机で、ニュースは取材ノートを開いた。

昨日聞いた話を、今日は記事にする。細かいメモを読もうとして、ふと手が止まった。「……メガネ、どこに置いたっけ」

机の上、ノートの下、引き出しの中。いつも置く場所を探しても見つからない。通りかかった後輩のダニが声をかけた。「何かなくしたんですか?」。ニュースは小声で答えた。「メガネ。さっきまで、ここにあった気がするんだけど」

ダニはニュースの顔を見て、それから机の上を見た。何か言いかけて、少し笑う。「まず、鏡を見てみませんか」。ニュースは真剣にうなずいた。「なるほど。落とした場所を思い出せるかもしれない」

鏡の中の自分は、いつもと同じ顔だった。鼻の上には、いつものメガネ。ニュースはゆっくり鼻に手を当てた。ちゃんと、ある。「……ずっと、かけてた?」。ダニは今度こそ笑った。「はい。最初から」

ニュースもつられて笑った。レンズを拭くと、細かい字がよく見えた。なくしたのはメガネではなく、少しばかりの落ち着きだったらしい。「昨日、みんなの話を聞きすぎたかな」。そう言いながら、ダニにお礼を言った。

ふたりの笑い声に、同僚たちが集まってきた。「僕も、手に持ったスマホを探したことあるよ」「私は、耳にかけたイヤホン」。ニュースはいつものように、ひとりずつ話を聞いた。さっきまで恥ずかしかった出来事が、だんだん小さな取材になっていく。

「今日のコラム、その話にしてみたらどうですか?」とダニが言った。ニュースは少し迷った。自分の失敗を書くのは、人の話を書くより難しい。でも、今朝ここで生まれた笑いなら、そのまま届けてみたいと思った。

ニュースはノートの新しいページに、『探しものは、案外近くにある』と書いた。その下に、自分の名前も小さく添えた。コーヒーをひと口飲んでから、念のため、もう一度メガネに触れた。今度は、ちゃんとわかっている。